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水越峠越えはいのちがけだった [太平洋岸自転車の旅]

自転車で国道42号線の水越峠を越えるのは、いのちがけであった。


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国道42号線 水越トンネル



国道42号線の和歌山県内における難所のうち、
最大のものは、水越峠(みずこしとうげ)ではないかと思われる。
この峠は、標高は約180メートルと、それほどでもないのだけれど、
連続して約4キロの登りになるので、自転車で越えるのは、かなりきつい。
また、サミットの水越トンネル(長さ551メートル)は、
かなり狭いうえ、歩道がついていない。
自転車で通るのは、とても危険である。


かといって、水越峠を避けるとなると、紀伊内原の駅から
新鹿ヶ瀬トンネルを抜け、湯浅御坊道路の広川南ICを経て、
広川沿いに下っていくか(下図Aルート)、
あるいは、紀伊由良の駅から、いったん海に出て、
海岸沿いに広川ビーチ駅に出る(下図Bルート)が
考えられるけど、いずれにしても、かなり遠回りになる。


mizukos2.gif
迂回ルートAおよびB


あるいは、水越峠の旧道を走るという手も考えられる。
2万5000分の1地形図をみると、水越峠には国道42号線に
並行して、細い実線でしめされた旧道があることがわかる。
この細い実線は、地形図では「軽車道」をあらわす。
おそらく、かなり昔に峠越えのために使われていた道であろう。
こういった道の実態は、行ってみないとわからない。
崩落などで通行不可能だったり、あるいは行ってみると、
影もかたちもなくなっている、ということも珍しくない。

mizukoshi.gif
水越峠の旧道



以上、まとめると、水越峠を越えるための選択肢は、

 1.国道42号線の水越峠(もしくはその旧道)
 2.Aの新鹿ヶ瀬トンネル方面に迂回するルート
 3.Bの海岸沿いに迂回するルート


の3つということになる。


自転車で越えるには、このうち、どれを選ぶのがいいのか。
私は、どうしようかな、と思ったのだが、結論を出さないまま、
東京を出発してしまった。
「まあ、いいや。現物を見てから決めよう。」
と思ったのである。私には、こういったアバウトなところがある。



今回の旅で、実際には、私はどうしたか。
御坊の市街をすぎて、しばらくすると、ゆるやかな登りになり、
紀伊内原の駅を通る。Aルートを行くなら、駅をすぎて
約200メートルほど行ったところにある信号を、右折することになる。
ガーミンにマークしておいた、その地点に立ったものの、
私はそのまま、国道42号線を直進してしまった。
理由は、曲がるのが面倒くさかったからである。
(^^;


第2の分岐ポイントである紀伊由良駅では、駅の待合室で
休憩していたら、なんとなくファイトがわいてきて、
そのまま水越峠に向かった。峠の旧道が、どのような道なのか、
興味もあったし。

この区間は、紀伊由良駅から連続して登りであり、
5キロ走るあいだに、標高差、約160メートルを登る。
勾配としては約3%であり、大したことはない。
これよりも急なところを走ったことは、いくらでもある。
が、それでも瞬間的な最大の勾配は10%ちかく、
かなりきつかった。(下図参照)

mizukoshi.gif
紀伊由良駅~広川ICまでのプロフィールマップ


水越峠の旧道であるが、国道42号線からの分岐点は、
峠の約500メートル手前に、進行方向とは逆にすすむかたちで
入り口があった。ガーミンでマークしておいた、その地点に立ったとき、
私はなんとなくイヤだな、と思った。
で、そのまま、国道42号線の水越トンネルに向かったのであった。
周到に準備をしておきながら、おそらく、最悪の選択をしてしまった
ように思う。


さて、いのちがけのトンネル越えである。

点滅式のテールライトと、ヘッドライトをつけ、
反射材のついたタスキをかけて、
クルマの流れが切れるのを待つ。
長さ550メートルだから、時速40キロで走れば、
約1分で通過できる。こういった狭いトンネルを通過するときには、
クルマの流れが途切れるのを待って、
一気にダッシュで抜けてしまう、というのが、
いつもの私の手なのである。


で、クルマの流れが途切れたので、トンネルに向かってダッシュ。
けれども、水越トンネルは、白浜がわから和歌山方面にかけて、
軽く登り勾配になっていた。なかなかスピードが上がらない。
あっというまに、後続のクルマに追いつかれてしまった。

やむを得ず、スローダウンして、路肩を走る。
大型の観光バスが、激しくクラクションを鳴らしたうえ、
私の50センチ横を、時速50キロくらいで通過した。
トンネルのなかでは、大型車に抜かれた直後がいちばん危ない。
そのあとの乗用車は、直前まで、私に気がつかなかったようで、
やはり、私の50センチ横を通過していった。

まさしく、いのちがけのトンネル通過であった。


トンネルを抜けたら、一方的な下りである。
広川インターちかくのローソンで休憩したとき、
私はつくづく、「生きててよかった。」と思ったものである。
(-_-;



ということで、今回の記事のまとめであるが、
国道42号線の水越トンネルを、自転車で通過するのは
いのちがけである。できれば避けた方がいいだろう。
ていうか、やめた方がいい。
Aルートの新鹿ヶ瀬トンネルを抜ける道か、
Bルートの海岸沿いに迂回する道を選ぶ方が、
はるかに無難であると思う。


東京に帰ってから、私は水越峠の旧道について、
ネットで検索してみた。心霊スポットとしては、
ちょっと南にある由良トンネルの旧道の方が、
はるかに有名なようである。
私は霊感が弱いらしく、まだ幽霊なんか、見たことがない。
ていうか、もともとそういうものは、あまり信じない性質なのだが。
まあ、とにかく、あまり行きたくない道だった。
理由は、よくわからない。



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