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坪尻はとてもダメな駅であった [ダメ鉄ウォーカー]

土讃線(どさんせん)の坪尻駅(つぼじりえき)は、
普通列車にさえ、通過されてしまうというダメな駅であった。


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土讃線 坪尻駅


高知に着いたあと、私は自転車を分解してバッグに入れ、JRに乗った。
こういうのを、自転車用語で、輪行(りんこう)という。
この方法をうまく使えば、自宅から走り始めなくても、
遠くに行くことができる。自転車を乗せることができるのは、
鉄道のほか、船、飛行機などである。
(高速バスは、問い合わせが必要)


今回、私は高知から青春18きっぷを使って、東京まで帰った。
ということで、何年ぶりかで、土讃線の普通列車に乗ったのである。
土讃線は、相変わらずの超ローカル線であった。
10時44分に高知駅から乗って、多度津に着いたのは14時45分。
126.6kmを、約4時間もかかったわけである。
平均時速は、じつに約31km/h。
途中駅の多くは、ほとんどが誰も乗らないし、誰も降りない、という
ダメ鉄ぶりであった。
そんな駅のなかでも、ひときわ異彩をはなつのが、坪尻駅である。


8765007.gif 坪尻駅の地図をみる


坪尻駅は、人里はなれた山の中にあり、しかも、数少ない普通列車の
一部しか停車しない。何本かは通過してしまうという、
あっぱれなダメ駅ぶりである。

いったい、なぜ、普通列車に通過されてしまうのか。

その理由のひとつは、この駅、スイッチバックになっているからである。

tubo3.jpg
駅のホームから本線を見上げる



スイッチバックとは、鉄道において、急勾配の途中に駅をつくるときに
使われる方法である。具体的には、勾配の途中に水平な発着線を設け、
そこに、プラットフォームをつくるというわけ。

坪尻駅の場合、急勾配の本線の途中に、駅にはいる発着線と、
もう1本の、引き上げ線を持っているのだけど、
残念なことに、駅にはいる発着線は1本しかない。
だから、たとえば上り列車が坪尻駅に入ってしまうと、
下り列車は、坪尻駅に入ることができなくなる。
ということで、通過するしかないという、おもしろい構造の駅なのである。
(以下のGIFアニメを参考にしてください)


tubojiri.gif



こんなことで、ええんか。

そう思えてくるくらい、ダメな駅なんだけど、
実際には、これでもまったく差し支えないだけの事情がある。
坪尻駅を利用しているのは、1日に、たった2人だけ。
しかも、ご夫婦であるという。
つまり、朝の列車でいっしょに出かけて、夕方の列車でいっしょに帰ってくる。
昼間の坪尻駅は、鉄道ファンが、うろうろするだけ。(笑)
ということで、普通列車が通過しても、いっこうに差し支えないのである。


このように、存在すること自体が謎なくらいのダメ駅であるが、
坪尻駅がないと、讃岐財田(さぬきさいだ)と箸蔵(はしくら)駅の11.5kmのあいだ、
列車が行き違うことができなくなる。それは、ダイヤ作成上、大きな障害となってしまう。
つまり、実質的には信号場であるものの、いちおう、利用客が2人いるから、
廃止しないだけなのだろう。


坪尻駅の周囲は深い緑におおわれ、いるだけで森林浴ができてしまう。
駅ノートが置いてあるので、わずかな停車時間のあいだ、読ませていただいたのだが、
何回も訪れるファンがいるらしい。
そんな、ちょっと変わった魅力のある駅である。
四国を旅行して、坪尻駅に停車したならば、停車時間を使って、
ちょっと列車を降りてみるのも、いいかもしれない。
どうせ、どの列車も5分くらい、停車するのだし。(笑)




ということで、今回の記事のまとめであるが、
土讃線の坪尻駅は、存在すること自体が謎なくらいの、ダメな駅であった。
それだけ。


え? こんな情報が、いったい、なんの役に立つのかって?
(^^;


ま、この記事を読んでくださった方のうち、何人かは、坪尻駅に行ってみたいと
思うかもしれないじゃないですか。(笑)
「どんなところなんだろう?」と思うことが、旅に出る動機である。
そして、「行ってみたい。」と思ったときから、旅は始まっているのである。
私は、そう思うのである。