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矢木沢(やぎさわ)ダム [ダムカード]

矢木沢ダムに行って、ダムカードをゲットした。


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八木沢ダムのダムカード

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八木沢ダム50周年限定ダムカード


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八木沢ダムの位置


地理院地図
八木沢ダム周辺の地形図



首都圏では、毎年夏になると渇水になる。そのときには、
「矢木沢ダムの貯水量は、現在、○○%まで減っています。」
といったニュースが、よくTVなどでながされる。
ということで、首都圏に住む者にとって、八木沢ダムの名は
おなじみである。けれども、八木沢ダムの正確な位置を
知っている人は、意外とすくないのではないか。

私は地図をみるのが趣味という、ちょっと変わった人間なので、
八木沢ダムの位置は、もちろん、知っている。
八木沢ダムは利根川の最上流、どんづまりに近いところにあり、
ダム専用道路の終点には、ダム以外、なにもない。
そんなところに行くのは、釣りかカヤックでもやる人か、
さもなければよほどの変人、もしくはかなりのヒマ人である。


2017年6月1日午後2時、私は八木沢ダムにいた。
さ、寒い。
来る途中で寄った水上(みなかみ)駅では、暑いくらいだったのに。
すぐ近くにみえる山には、雪が残っている。
思わず、ぶるるっと震えてしまった。

とりあえず、ダムカードをもらいに、ダム管理事務所に行く。
インターフォンを押すと、すぐに職員さんが応答してくれた。

職員さん「はい、なんでしょうか。」
私   「お仕事中、恐れ入りますが、ダムカードをいただき
     たいのですが。」
職員さん「何名様ですか。」
私   「ひとりです。」
職員さん「少々、お待ち下さい。」


型どおりのやりとりであるが、職員さんは対応になれている。
八木沢ダムは超有名なダムだけに、ダムカードをもらいに来る人は
多いのだろう。しばし待つとドアが開き、職員さんが出てきた。

職員さん「はい、どうぞ。」
私   「どうもありがとうございます。
職員さん「それと、これは50周年限定のダムカードですが、
     よろしければ、お持ちください。」
私   「ありがとうございます。お仕事中、お手数をかけて、
     どうも申し訳ありませんでした。」

ということで、無事に八木沢ダムのダムカードをゲット。
また、とくにお願いしたわけではないのに、50周年限定の
ダムカードも付けてくれた。かたじけない。


ということで、もう用はない。あとは帰るだけである。
が、まあ、せっかく来たので、ダムの見学をしていこう。
矢木沢ダムはアーチ式コンクリートダムである。
堤高は131メートル。堤体はほぼ垂直なので、
天端(てんば)から下をみると、思わず腰が引けてしまう。

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八木沢ダム全景


びびりながら下をみていると、近くにいたクレーン車の
オペレータのおじさんに、笑われてしまった。

オペレータ「高けーだろ。ここまで高いと、俺らでも怖えよ。」
私    「そのクレーンで、なにか下ろすんですか。」
オペレータ「ああ。いま足場なおしているから、その資材よ。」
私    「足場、といいますと。」
オペレータ「ダムの壁に、保守用の足場が付いてるだろ。
      鉄板でできているんだけど、もう50年も経つから、
      ボロボロに腐ってるんよ。あぶないからステンレスに
      替えるんだ。」
私    「ほー、そうなんですか。」
オペレータ「昔は、対岸の山から索道(さくどう)を使って、
      おろしていたんだけど、危なくってなあ。
      このダムをつくるとき、27人くらい、死んでるもん。」
私    「そんなに亡くなってるんですか!」
オペレータ「ああ。50年も昔だもんなあ。いまとは安全に対する
      意識もずいぶん違ってたと思うし。いまだとクレーンで
      下ろすから、安全なんだけど。」


知らなかった。
ダムの建設現場っていうのは、そんなに危険な職場だったのか。
クレーンのオペレータのおじさんに教わって、殉職者の慰霊碑に
行ってみた。一礼して、手を合わせる。ミョーなものが写ると
イヤなので、写真は撮らなかったけど。

27人も死ぬ職場というのは、いまだと想像しづらい。
けれども、そのときの作業者、技術者の犠牲により、
現在、首都圏の水が安定して供給されているのである。

実際に行ってみないとわからないことって、あるもんである。
こういうことを知ってしまうと、「ダムはムダ」などとは、
言えなくなってしまうね。

利根川水系のダムの水は、水道水だけに使われているわけではない。
関東平野の農業用水にも使われており、その比率は2015年度において、
農業用水80%、水道用水13%、工業用水6%である。
農業の衰退により、農業用水の需要は減りつつある。
それに対して、首都圏の人口増加により、水道用水の需要は、
年々、増えつつある。
ということで、農業用水の水を2%くらい、水道用水にまわして
もらえば、首都圏の渇水問題は一発で解決してしまう。

もちろん、水利権など、むずかしい問題があって、
そういったことは、すぐには実現できない。
けれど、水の需要増に対してダム建設が追いついていない、
ダムが足りなくて水が不足している、というのが本当かというと、
案外、そうでもなかったりするのである。

また、50年前ならともかく、現在では水処理技術が高度に
発達しており、海水ですら、瞬時に真水に変えてしまう。
そんな時代において、山奥に水を貯めておく必要があるのか、
というと、それはそれで、むずかしい議論になる。ダム建設には
膨大な自然破壊を伴うという、負の効果もあるのだし。

まあ、27人も亡くなっているという現実を知ってしまうと、
あまり、こういったことは言いたくなくなる。
ダムをつくった人たちに対して、素直に感謝したいと思うし、
犠牲になった方々に対しては、謹んでご冥福を祈ろうと思う。




ということで、今回の記事のまとめであるが、
矢木沢ダムは、利根川水系のもっとも奥にあり、
ダム以外、なにもないところであるが、131メートルの高さ
の堤体は迫力がある。もし、行かれた方は、ダムカードをもらう
のをお忘れなく。

矢木沢ダムを後にした私は、その日は、奥利根水源の森で
キャンプをした。


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