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釧路~長万部自転車ツーリング その4 [日本外周自転車の旅]

釧路から長万部まで、自転車で走った。そのつづき。


3日め  えりも百人浜~新冠町  約116km day3.gif


2017年6月25日日よう日午前6時。私は百人浜オートキャンプ場
にいた。

起きて、テントの外に出てみると、深い霧である。
えりも岬周辺は年間を通じて、非常に霧が発生しやすい
ところであるから、まあ、仕方がない。午前6時30分出発。
約8km南にある襟裳岬(えりもみさき)をめざす。

午前7時ごろ、旧えりも岬ユースホステルの前を通過した。
えりも岬ユースホステルは、北海道3バカユースホステル
(ふつうは礼文島・桃岩荘ユースホステル、知床・岩尾別
ユースホステルとえりも岬ユースホステルをさす)として
有名だった。私自身は、桃岩荘ユースホステルと
岩尾別ユースホステルに泊まったことはあるが、
このえりも岬ユースホステルに泊まったことはない。
なんでも、名物のおばさんペアレントがいて、宿泊客は
大漁旗で送迎のうえ、夜のミーティングに強制参加。
何時間も歌と踊りが続いたという。

ま、桃岩荘ユースホステルも、だいたい同じような感じ
だったけど、あそこはヘルパーが歌って踊っていた。
ペアレントが自ら率先して、歌って踊るというのは、
めずらしいと思う。

えりも岬ユースホステルは、その後、民宿となり、
つい先日、閉鎖された。
時代はかわった。いまどきの若い人は、もう、あんな
バカなことはしないんだろうな。
2017年6月25日午前7時15分、襟裳岬に到着。
あいかわらず霧が濃くて、展望台に立ったときには、
なにも見えなかった。

09erimo.jpg
襟裳岬にて

erimo2.jpg
襟裳岬灯台にて


私たちの世代にとって、襟裳岬というと、なんといっても
森進一のヒット曲を思い出す。調べてみると、1974年1月の
発売だから、私が18才のときであった。

作曲は吉田拓郎である。フォークソングと演歌歌手の異色の
組み合わせが大成功したことから、ポップス歌手および作曲家
である大滝詠一との組み合わせによる「冬のリヴィエラ」にも
つながっていくのだが。

それはともかく、襟裳岬の歌詞であるが、一部の人には、
どうも、誤解されているように思われる。というのは、
「襟裳岬にはなにもない」というように歌われている
というのである。

そうではない。まず、襟裳岬の歌い出しであるが、

♪北の町ではもう
 悲しみを暖炉で
 燃やし始めてるらしい


という部分で、この歌詞の登場人物には、とてもつらい、
悲しいことがあったことがわかる。そして、この人は、
「人は悲しみをいつまでも抱えているべきではない。」
と考えている。だから、そんなものは暖炉で燃やして
しまえばいいというのだ。そして、

♪えりもの春は
 なにもない春です


という歌詞につながっていく。「なにもない」というのは、
まっさらな状態、という意味である。
要するに、悲しみをのりこえ、まっさらな状態で新しい春を
迎えよう。そうやって、つらい人生を生きていこう。
そう言っているのである。
襟裳岬にはなにもない、などとは、ひとことも言っていない
のである。


朝が早かったせいで、店も観光施設もあいていなかった。
全身に付いた霧の水滴をタオルで拭いて、午前8時出発。
歌別(うたべつ)の集落で、ふたたび国道336号線に戻り、
様似(さまに)をめざす。コンブ漁が最盛期のようで、
ところどころで、軽トラが大量のコンブを積み込んでいた。

海をみると、おびただしい量のコンブが生えている。
ちょっとくらい、軽トラで採ったところで影響があるとは
思えない。夏になれば必ず生えるものを採って、乾燥すれば
売れるのだから、ラクな仕事である。三重県や高知県の漁師は
カツオを追い求めて、双眼鏡で海を見ながら、何日も航海する。
そのリスクとハードさは比較にならない、と思った。

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コンブが生えているところ

午前11時40分、JR日高本線の様似駅に着いた。
列車はいない。
東京の人は、ほとんどが知らないだろうけど、
日高本線は、2015年1月の高波による線路被害のため、
現在、鵡川(むかわ)~様似間が不通になっている。
JR北海道は、沿線自治体に復旧の費用負担を求めていた
ものの、交渉は難航。事実上、廃止が決まっている。

12時25分発の代行バスが入ってきた。ごくふつうの
いすゞエルガである。このバスは、約2時間かけて、
静内(しずない)まで行き、さらに、静内から鵡川までの
代行バスにつながっている。鵡川までの所要時間は、
約4時間もかかる。

samani.jpg
様似駅にて

JRbus.jpg
JR日高本線 列車代行バス


さらに国道336号線を北上。浦河(うらかわ)から
国道の番号が変わり、国道235号線になる。
午後3時、道の駅みついしに到着。
この道の駅には、オートキャンプ場が隣接しており、
さらには温泉施設がある。なかなか魅力的である。
サイクルコンピュータをみると、きょうはここまで、
約75km走っている。ちょっと早いけど、きょうは
ここで終わろうか、と思った。
オートキャンプ場の受付に行ってみると、利用料金は
1泊5,240円という値段であった。当然のことながら、
誰も利用していない。

ということで、さらにすすむ。
東静内の駅をすぎ、静内温泉と書いた看板にしたがって右折。
当初の予定どおり、静内温泉キャンプ場をめざす。
すると、「キャンプ場は現在、閉鎖されています」
と書いてあった。理由はよくわからない。

国道235号線にもどり、スマホを使って調べる。
5kmほどもどったところに「インフォメーションサイト
スペース新ひだか」という、無料で泊まれる施設がある。
自転車乗りやオートバイ乗りが、よく利用しているようだ。

けれども、5kmもどるというのがイヤだった。
私の性格で、すすむのはオッケー、戻るのはダメなのである。
調べてみると、11km先に道の駅、13km先にパーキングエリア、
15km先の判官館(はんがんかん)森林公園にキャンプ場がある。

とりあえず、前にすすむ。
けれども、ここまで、すでに100km走っており、
もう、脚が残っていない。やはり、お金をケチらずに、
道の駅みついしのオートキャンプ場に泊まればよかったかな、
と思った。

行ってみると、道の駅はダメだった。町なかにあるので、
テントを張ったりしたら、110番通報されてしまいそうである。
その先のパーキングエリアは、テントを張っても、
まあ、大丈夫そうだった。けれども、殺されて金品を
奪われても、文句が言えないような環境である。
ということで、判官館森林公園にあるキャンプ場まで走った。
走行距離110kmを超えて、最後に急坂を登ることになり、
もう、泣きそうだった。キャンプ場に着いたのは、午後6時を
すぎていた。


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